今日もお疲れさまでした。
人生には様々な選択の機会が存在します。
その中には自分の本意ではない選択を迫られることもあるでしょう。
そんなときに支えになる言葉を今日は紹介します。
「納得できていない心があれば、説得して不本意でも分かってもらう必要があると」
望月麻衣(2021).『満月珈琲店の星詠み~ライオンズゲートの奇跡~』 株式会社文藝春秋
悩める人々が招かれるカフェ〈満月珈琲店〉で、不本意な選択をする際の大切なことを教わった川田藤子のセリフです。
不本意であったとしても、自分がした選択に自分自身でしっかりと納得することが大切と伝えている言葉です。
<言葉についてのあらすじ>
川田藤子(ふじこ)は50代の女性で、夫はおらず、東京で暮らす一人娘がいる。
以前は京都で育児と好きな仕事と、充実した日々だったが、父が死に、母から帰省を求められる。
本当は居心地の良い京都で暮らしたかったが、藤子はその気持ちを抑えて了承する。
地元では母の介護とパートの日々で、京都では充実していた分、自分がくすむようだった。
そんなある日、藤子は〈満月珈琲店〉に導かれ、人生で不本意な選択をする際の大事な三つを教わる。
一つは、本音を認めること。
(実家に帰りたくないという気持ちを認める)
二つは、その本音を発している自分に対し、しっかり説明して、謝ること。
(帰りたくないけど、帰らないといけない。ごめんなさいと自分の心に伝える)
三つは、自分の中で決意表明すること。
(帰りたくなかっけど、実家に帰る。これは自分の選択で他人のせいにしないと決意する)
これらをしなかったことで、自分の心を蔑ろにし、不幸になっていると藤子は言われる。
自分を偽らないために、納得できてない心があるのなら、その心に自分でしっかりと説得する必要があったと藤子は教わる。
不本意な選択をするときに大事な3つのことをして、自分の心を一つにする。
そうしないと「帰りたくなかった」の気持ちが足を引っ張り、幸せから遠ざかるとのこと。
これを聞いて藤子は気づく。
帰省を了承したのは、未婚で娘を生んだ親不孝への償いの気持ちからだった。
しかし心のどこかで納得できておらず、自分で帰ると決めたのに、自分を被害者のように感じていた・・・。
地元での生活がくすんだのは、そんな自分の気持ちのせいだったと。
<まとめ>
自分のしたい選択だけをして生きていければ、人生は楽かもしれません。
しかし人間関係、金銭面など様々な事情で、自分の本音と異なる選択を迫られるときが必ずあります。
だからといって、過去の選択を悔やんだり、その選択をした自分を責めたままでいては幸せになれないでしょう。
納得できないまま進むと、どこかで歪みが生じます。
そんなときは、自分の心としっかり対話しましょう。
自分の本音を無理やり押し殺すのではなく、説明して謝って、自分の心を一つにする。
自分の感情を大切にしつつ、これは自分の選択で誰のせいにもしないと決意する。
そうして選択した未来は、納得できないまま進んだものよりも、きっと明るくなるでしょう。
参考
望月麻衣(2021).『満月珈琲店の星詠み~ライオンズゲートの奇跡~』 株式会社文藝春秋