言いたいことが言えないあなたへ 『満月珈琲店の星詠み⑤~秋の夜長と月夜のお茶会~』

  • 2025年8月15日
  • 2025年9月11日
  • 小説
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今日もお疲れさまでした。

あなたは相手に言いたいことがあるのに言えずに、ずっと我慢していませんか?
今日は悩みに関する言葉を紹介します。

 ハチワレ猫(サートゥルヌス)

 「他の誰とでもなく自分自身と話し合って納得のいく結論を出すのですよ。まず、自分を説得して、自分の結論に納得することが大切です。そうして自分の人生に責任を持つんです

 望月麻衣(2023).『満月珈琲店の星詠み~秋の夜長と月夜のお茶会』 株式会社文藝春秋


悩める人が招かれる〈満月珈琲店〉の店員、ハチワレ猫(土星の遣いサートゥルヌス)の言葉です。
自分が納得して人生を歩むために、自分自身と話し合うことも大切と伝えています。

<言葉についてのあらすじ>

真中百花(まなかももか)は故郷のとある島に住む45歳の女性。
両親は百花が幼少の頃に離婚し、父は家を出ていた。

生活に余裕がなくなり、両親の離婚によって常に同情と好奇の目にもさらされた。

百花の人生は母のためにあるようなものだった。

母を一人で島に残さないように、島内の看護学校に進学し、地元の病院に就職した。

母を一人にしないために、プロポーズされた時も結婚を諦めた。

長い母との生活は寂寥感はあれど、充実した日々だった。


そして母が病死した後に、百花は〈満月珈琲店〉に導かれ、店員に想いを語る。

「今まで溜め込んできた人生だった」と。

周囲から遠慮ない言葉をぶつけられても我慢し、結婚したいことも言えず・・・。

そんな百花に店員のハチワレ猫は問う。
「あなたは自分が犠牲になったと思うか?後悔はあるのか?」と。

百花は犠牲になった感覚や後悔はあまりなかった。
進路のことも、結婚のことも、自分で選んだことだ。

でももやもやした感覚はずっとあった。 

その正体は・・・

話し合わなかったこと

結果は同じでも、進路も結婚も、希望を伝えてみればよかった。
どうせ分かってくれない、ダメに決まってると決めつけていた。

俯く百花にハチワレは優しく言う。
「これからの人生は、自分自身と話し合ってください。自分の人生に責任をもつのです」


今まで百花は自分で決断したふりを続け、それでいて、母のせいだと心の中で責任転嫁していた。

自分の人生に責任を持つ— その言葉が、ズシンと百花の中に響くのだった。

<まとめ>

人はなぜ言いたいことを言わないでしまうのでしょうか?
 
それは相手に話す前に自分自身と話すことができていないからではないでしょうか。

相手に伝えたいことがあるが、勇気が出ない、伝えるべきか迷う。

そんなときはまず自分に問いかけましょう。

「伝えなくて本当に良いのか。後悔しないか。相手も本当は正直に話してほしいのではないか」
「このまま我慢して、自分は疲弊しないか、苦しくならないか」

自分との対話が不十分だと、どうせ言ってもダメだろうと決めつけて、言えずに終わってしまいます。

でも果たしてそれで自分の心は納得してるのでしょうか?

納得できないでいると、自分はこんなに我慢してるのにと徐々に被害者意識が強くなっていきます。

最終的には溜め込み過ぎて、抱えきれずに疲弊して倒れるか、相手に爆発させてしまい、悲惨な結末となるかもしれません。


言いたいことを言わないのが悪いことではありません。

大切なのはどちらにせよ自分が下したその決断に自分自身が納得しているかどうかです。

 
ちなみに、ある老人ホームのレポートによると、死の間際に人が後悔すること・・・

それは「もっと自分のために生きれば良かった」だそうです。

もし自分と対話しても迷うのなら、我慢せず言ってみるのも良いのかもしれません。


参考
 望月麻衣(2023).『満月珈琲店の星詠み~秋の夜長と月夜のお茶会』株式会社文藝春秋
 厚切りジェイソン(2015).『日本のみなさんにお伝えしたい48のWhy』ぴあ株式会社 

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