今日もお疲れさまでした。
あなたは日々、世の中不公平だなと感じていませんか?
今日はそう感じて生きづらいなと思っている人に届いてほしい言葉を紹介します。
ジュピター
「世の中、不公平で溢れてしまうということは、あなたが、自分を蔑ろにしているからかもしれないわね」
「人はね、誰かに褒められても、自分を自分で褒めてあげないと、まったく満たされないものなのよ」
「本当に、言葉は大切よ。人を生かしも殺しもするわ。それは、内側の自分に対してもそう」
望月麻衣(2024).『満月珈琲店の星詠み~月と太陽の小夜曲~』株式会社文藝春秋
木星の遣い、ジュピターの言葉です。言葉は凶器になる、とよく言われますが、自分に対してもそうだというのが心に刺さりました。
<言葉についてのあらすじ>
橋本静江は出版社に勤めている34歳の女性。
出版社には12年勤めていたが、ヒット作には一度も恵まれていない。
現在、勤めている出版社では他編集者の活躍で沸き立っていた。
その様子を見て、ヒット作を一度も出していない自分を静江はふがいなく感じていた。
後輩には大富豪の娘もいた。
彼女の努力は認めていても、心のどこかではやっぱり恵まれてると思ってしまう。
自分が憧れだった出版社に入社するためにした苦労を、彼女はしていないのだろう。
巨大グループの娘を、会社は落とすわけがない。
静江は母と妹との3人暮らしで妹は静江とは10歳離れている。
長女の静江は厳しく育てられた一方で、長く二人目に恵まれず、諦めかけていた頃に授かった妹は、お姫様のように両親に甘やかされていた。
いま妹は働いておらず、家事は一切やらないのだが、母は何も言わない。
母も死んだ父も、妹には甘かった。
生家が恵まれている人もいれば、同じ家に生まれても妹のように甘やかされる人もいるのだから、世の中は本当に不公平で理不尽だと、静江は感じていた。
「いいな」「羨ましい」と思ううちはまだ良くて、「ずるい」「なんであの人ばかり・・・」と徐々に黒い感情に変わってしまうのを静江自身でも感じていた。
そんな時、公園の野外ステージで歌っていたある女性(木星の遣いジュピター)と出会う。
そして世の中不公平だと悩む静江にジュピターは言った。
「あなたは自分を蔑ろにしている。自分で自分を認めて、褒めてあげないと」
静江は決して成果を出せていなかったわけではなかった。
懸命に頑張って結果を出して、上司に褒められたことはあった。
しかし静江自身が自分の頑張りを認めていなかった。
「ここでは終わりたくない」「満足したくない」という向上心からくるものだったが、結果的にはそれがずっと自分を苦しめていた。
自分はずっと『誰かに褒められたい』と思っていたはずだった。
しかし本当は『誰か』ではなく、自らを褒められる、誇らしい自分でありたかったのだ。
内側にいる本能の自分が認めてほしい、褒めてほしいと声を上げていても、理性を司る表側の自分が「まだまだ出来るだろう?甘えるな」と押さえつける。
静江は自分自身にそんなひどいことをしていた事実に気づく。
自らへの謝罪の言葉が腹の奥底から湧き出てくるのを静江は感じていた・・・。
<まとめ>
世の中不公平だと感じているあなた。
あなたは自分の頑張りを自分で認めてあげていますか?
自分に厳しくするのは成長のために必要で、決して悪いことではないと思います。
しかしその厳しさが行き過ぎると自分を苦しめる足かせになってしまいます。
何か物事を達成したときに、そこで満足して完全に立ち止まるのは良くないかもしれません。
でも達成した事実とそこに至るまでに自分がしてきた努力はしっかりと自分で認めて、褒めてあげるようにしましょう。
そのためにも自分は自分だ、という気持ちを大切にしましょう。
他者と比べると、どうしても「あの人はもっと出来ている、あの人はもっと結果をだしているのだから自分はまだまだ」と自分を褒めることをしなくなると思います。
他者との比較は不公平だと感じる気持ちを加速させてしまいます。
また、ある心理学者によると、良くないことに見舞われてもモチベーションを落とさずに成果を上げるタイプの人が存在するとのこと。
そしてその彼らの共通点は『自分を褒める能力が高い』ということらしいです。
仕事で自らの望む成果を得るためにも、自分を褒めることは重要だということが分かります。
日常の中で些細なことでも自分を褒める、それだけでも自分の心は満たされます。
ちゃんと朝起きてえらい、仕事をしてえらい、体に悪いお菓子を我慢できてえらい、しっかり休憩して自分を大切にできてえらい・・・小さいことでも良いから自分を褒める。
そして自分を褒められるような、その小さな達成の繰り返しを楽しんで生きていきましょう。