今日もお疲れさまでした。
あなたは自分は中身がない、個性がない人間だと悩んでいませんか?
今日はそんな人に見てほしい言葉を見つけてきました。
架羽(かばね)メメ
「推しを語っている君は間違いなく輝いていたよ」
蒼月海里(2024).『星屑鉄道の鉱石カフェ』株式会社マイクロマガジン社
迷いをもつ人の前に現れる星屑鉄道。その車掌である架羽メメの言葉です。
好きなことに夢中になっている人はとても魅力的に見えることを言っています。
<言葉についてのあらすじ>
鈴木道子はアラサーのごく普通の会社員だ。
鈴木は「何者でもない」ことに悩んでいた。
以前付き合った恋人に「道子さんって虚無だね」 と言われ、その言葉がずっと心に刺さっていた。
結婚や出産、起業する同級生を見て、妻や親、社長という役割が何か自分にも欲しいと思っていた。
「虚無」とは言われない何者かになりたかった。
そんな鈴木の唯一の趣味が推し活で、休日はライブに行ったりグッズを買ったりしている。
ある時、会社の後輩である宮野という女性も、同じアイドルを好きということを知る。
若くて可愛い人気のある宮野と、共通の話題があったことが鈴木は嬉しかった。
しかし、宮野には結婚を前提とした彼氏がいると知り、鈴木は突き放されたと感じる。
同じアイドル好きで、人生経験の浅い彼女が、自分にはないものを持っているのだ。
そんな鈴木は、〈星屑鉄道〉に導かれ、車掌の架羽(かばね)メメに鈴木は悩みを話す。
無理して何者かになる必要なんてあるのとメメは疑問を持つが、鈴木は反論し、二人で話し合う。
妻や母などの役割や、社長などの肩書は、他人との関係や他人の評価に依存したものである。
誰かにとっての妻や母、社員から見た社長だ。
そのように自分の価値を、他者に委ねてもいいのか。
他の誰かがあってこその何者かでもいいのかと考えると鈴木はそれは違う気がした。
しかし鈴木には夢がなく、自分のなりたい姿を考えるが思いつかない。
夢や目標がある人を見るとキラキラしていて、とても美しいと思う。
考えていると推しの顔が浮かぶ。
推しは歌もダンスもできて動画チャンネルでも頑張ってるのに、私には何にもないと話す鈴木をメメは静止して言う。
「自分と相手を比べないで。同列にして比べてはいけない。君は自分が輝いていないと思ってるから不安で比べてると思うけど、それは間違いだ」
間違いとはどういうことかと首を傾げる鈴木にメメは言う。
「いま推しを語っている君は間違いなく輝いていたよ」
推しのことを語る鈴木はメメにはとても生き生きとして見えたのだ。
自分には輝きなんてないと思っていたが、推しが放つ光を受けて輝くことができると鈴木は知った。
後日、宮野にも推しを語る鈴木はとても輝いていたと伝えられる。
そしてそんな生き生きとした鈴木を他のみんなに知ってほしいと思ったらしい。
推しについて宮野と語る鈴木は、キラキラと輝いていた。
<まとめ>
人の特性を表す言葉に陽キャ、陰キャというものがあります。
しかしそれ以外にも無キャという言葉もあるようです。
陽キャは快活で社交的な人で、陰キャは静かで内向的な人のこと。
そして無キャは特徴のない、無個性な人のことを言うようです。
個人的にはこういう分け方はどうかと思いますが、歌の歌詞でもありましたね。
人間たちは陰キャ陽キャ分類しないと落ち着かないって・・・。
ネット上でも、自分が無キャで人生つまらない、他者と関われないという悩みは少なくないようです。
あなたはそのように悩んだことはあるでしょうか?
鈴木と同じように『自分は虚無』『何者かになりたい』と日々考えたりしていますか?
悩んでいたら、まずは肩書など他者の評価に委ねた何者かでも良いのか、それとも他者に依存しない自分らしい何者かになりたいのか、整理してみましょう。
目指すものがはっきりさせることで、なりたい自分に近づきやすくなります。
鈴木は目標がなくても、推し活という自分の好きなものがありました。
この場合は、自分が立派な個性ある何者かであることに自分で気づいていないだけかもしれません。
自分の好きなことを表に出すのは勇気がいる場合もあるでしょう。
しかし自分はこれが好きと公言してみれば、宮野のような意外な同志が見つかるかもしれません。
夢中になれるもの、好きなものがあるあなたは、間違いなく虚無ではありません。