今日もお疲れさまです。
あなたは自分のしている仕事がどのように社会の役に立っているか、理解していますか?
理解しているか否かで、仕事のモチベーションも成果も、あるいは人生も、変わってくるようです。
ガス灯の点灯人
「わかる必要なんてない」
「指示は指示だ」
サン=テグジュペリ(2006).『星の王子さま』株式会社新潮社
主人公の王子さまが自分の星を旅立って、5番目の星にいた、点灯人のセリフです。
自分の仕事の意義を広く理解することが大切ということを教えてくれるお話です。
<言葉についてのあらすじ>
王子さまは地球に至るまでの旅で、ある星にたどり着きます。
その星はガス灯が一本と、そこに火をともす点灯人が一人だけいる星でした。
点灯人が灯を消しました。
王子さまがどうして消したのか尋ねると点灯人は答えます。
「そういう指示なんだ」
点灯人は今度は灯をつけました。
王子さまはどうして灯をつけたのか尋ねます。
「そういう指示なんだ」
どういうことかわからないと疑問を口にする王子さまに対して、点灯人は答えます。
「わかる必要なんてない。指示は指示だ」
その後も点灯人は「休みたいけど、休めない」「眠ることが一番好きなのに」
と不満を言いながら、点灯消灯を繰り返すのでした。
<まとめ>
皆さんは『三人のレンガ職人』という寓話を知っていますか?
こんな話です—
旅人が、建築現場で作業をしている人に「何をしているのか」と質問した。
一人目の作業員は「レンガを積んでいる」とぶっきらぼうに答えた。
二人目の作業員は「壁を造っている」と淡々と答えた。
三人目の作業員は「大聖堂を造っている。神を讃えるためにね」と笑顔で答えた。
という話です。
人間の行為は必ず「何かのために、何かをする」という構造を持っています。
レンガを積む→壁を造る→大聖堂を造る→神を讃える のように一つの行為の目的にはさらにその目的が存在します。
そしてできるだけ広く目的を理解して、仕事をすることが有益であると言われています。
「指示だから」としか答えられない点灯人はきっと仕事の目的を十分に理解していないでしょう。
また、ドストエフスキーは、人間にとって最も恐ろしい罰とは、「何から何まで徹底的に無益で無意味な労働」を一生科すことだと言っているそうです。
点灯人のように仕事の大きな目的、意味を十分理解しないまま、仕事をしている人がいるのなら、それは囚人に科される拷問とほとんど変わらないでしょう。
そして最後に、人の行為の目的の連鎖は一番最後に「良い人生を送ること」「幸福になること」に行き着きます。
点灯人の例では、休みたいのに休めず、寝たいのに寝れず、きっと幸福には行き着きません。
いま一度よく考えてみましょう。
あなたは自分の仕事の目的や意味を十分に理解していますか?
そして何よりも、あなたのしている仕事はあなたの幸福につながっていますか?