自分を大切にする他人との比べ方

心理学では「人間は無意識のうちに、自分と他人を比較する」とされます。

これは本能的に「自分は周りと変わっていないか」を確認し、安心するために行うのだそうです。

しかし、最近では「他人と比べず、自分の軸を持とう」と言われるのをよく聞きます。

本能的に人は他人と比べてしまうが、時代の要請は「社会の軸」から「自分軸」へ移行しているようです。


では他人との良い比べ方というものはあるのでしょうか?


結論から言うと大切な点は以下の3つです。

手の届かないほど自分よりできる人とは比べない

他人と比べて自分を卑下しない

自信がないときは、自分より劣る人と比べる「下方比較」をすると心が落ち着く



様々な自己啓発やメンタル関連の本では、「雲の上のような存在と比べることと、他人と比べて自分を卑下するのは良くない」と書かれています。

まずあまりにできる人と比べることは、自分に合わない高すぎる目標を持つことにつながります。

しかし高すぎる目標は人の自信を失わせてしまうのです。


そして自分を卑下すること。

「あの人いいなあ」の後に「自分も頑張ろう」となるのであれば、問題ありません。

しかし、「いいなあ」の後に「自分はダメだ、どうせ自分は・・・」と卑下するのはよくありません。

行動を支配するのは思考です。

思考が「どうせ自分はダメだ」となってしまっては何も行動せずに、停滞することになります

そして、自分を卑下して卑屈になっているような人間とは誰も関わりたいと思いません。

卑下することが孤独を生み出してもしまいます。


でもどうしても優秀な周りと比べてしまうと悩むあなたへ。


どうしても周りと比較して落ち込んでしまうときは、自分の「ある」ものにフォーカスするか、自分はカメだと思いましょう

あの人みたいに優秀でないし、お金もないけれど、自分には健康な体があるし、住める家もあるなど自分に「ある」ものを考えてみましょう。

少し気持ちが楽になることもあると思います。


もう一つは「ウサギとカメ」のカメです。

ウサギはカメとの競争で、カメの走りを見て余裕だなと油断して、結局負けてしまいました。
つまりウサギは他人と比べました。

対してカメは自分の目標だけを見続けてゴールにたどり着きました。

この話ではウサギが慢心したから、運よくカメは勝てたんじゃないかと思う人もいるでしょう。

でも大切なのは、人に勝つことではなく、確実に目標をクリアすることです。

目標をクリアしたという事実はあなたに確実に自信をもたらします。

成功・突破体験は自信になるからです。

もしカメが自分とウサギと比べていたら、絶望して足を止めていたことでしょう。

周りと比べて、自分を卑下して行動を止めてしまうのは、この絶望したカメと一緒です。

このままでは何も得られません。

大切なのは「他人に勝つ」ことではなく、「強くなること」「前に進むこと」です。


最後に一つ。

比較には2種類あって、自分よりできる人と比べる「上方比較」と、自分より劣る人と比べる「下方比較」があります。

どうしても不安な時は、自分より劣る人と比較する「下方比較」をすると、リラックスできる効果があるようです。

面接で緊張しているときなど、他にガチガチに緊張して声が震えている人がいたら、「ああ、あの人よりは自分はマシだ」と思うことで、気持ちが楽になります。

ぜひ使ってみてください。



他人との比べ方について、もう一度まとめます。

手の届かないほど自分よりできる人とは比べない

他人と比べて自分を卑下しない

自信のないときは、自分より劣る人と比べる「下方比較」をすると心が落ち着く

この3つを意識して、生活をしてみてください。



参考
 青木仁志(2016).『一生折れない自信のつくり方』アチーブメント出版株式会社
 Honami(2023).『幸せの本質~一生涯続く笑顔あふれる人生のつくりかた~』株式会社KADOKAWA
 児玉光雄(2023).『「できない」を「できる」に変える大谷翔平の思考法』株式会社アスコム
 ゆうきゆう(2021).『眠れなくなるほど面白い 図解 ストレスの話』株式会社日本文芸社

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