今日もお疲れ様です。
今日は『自分を知る』をテーマに、自分の心に嘘をついて毎日を生きるあなたに支えになるかもしれない言葉を見つけてきました。少しでもあなたの心が楽になれば幸いです。
三毛猫のマスター
「あなたは、『自分は自分のために、素敵な部屋に住む必要があるんだ』ということを『知る』ことが大事なんです。そして、『いつか自分が最高に気に入る部屋に住めるようにがんばろう』と心に決めること。それが自分を理解するということです」
「『自分を理解する』というのは、『自分を大切にする』ことにつながります。そうすると、あなたという星が輝き出すんですよ」
望月麻衣(2020).『満月珈琲店の星詠み』株式会社文藝春秋
『満月珈琲店の星詠み』より、満月珈琲店の店主である、三毛猫のマスターの言葉です。
<言葉についてのあらすじ>
芹川瑞希はシナリオライターをしている40歳の女性。20代の頃はヒットメーカーと謳われ、一時期はこの世の全てを手に入れた気分に浸っていた。
しかし現在、時代に合ったシナリオを描くことが出来ずに、世間の評価はかなり厳しいものになっていた。仕事も激減し、金銭的な不安から気に入っていたマンションの部屋から狭いワンルームの安いマンションに移り住み、適当に買った安い家具に囲まれて生活していた。
以前はよくカフェで仕事もしていたが、1杯のコーヒー代も惜しいと思い、カフェには行かなくなっていた。少しは健康に気を使って野菜を入れるものの、食事もインスタントのものが多くなっていた。
仕事は今は実名を伏せて、無名のライターとして、ネットでのシナリオライター募集に応募して何とかつないでいる。将来が不安で眠れない日々を過ごすような毎日だった。
そんな絶望と失意のなか、遭遇したある不思議なトレーラーカフェ『満月珈琲店』で大きな三毛猫のマスターに言われたのが、上で紹介したこの言葉。
瑞希は小さいころから部屋を素敵な空間にすることが大好きだった。でも今はスランプから自棄になり、気に入っていた家具をすべて捨て、安いワンルームマンションに自分を押し込めて無理やり納得しようとしていたのだった。
節約のためと食事もいい加減なものとなり、欲しいものも我慢して、大好きなカフェにも行かなくなった。「でもそれはしょうがないんだ」と、いつの間にか悲劇のヒロインのようになっていたのだ。
瑞希は思う。気に入っている素敵な空間に自分を居させてあげること、カフェに行くこと、今まで自分が好きだったことをすべて忘れてしまっていた。自分を大切にしていなかったんだ・・・。
マスターたちの言葉で『自分にとって大切なものを知る』ことができた瑞希は、まずは今の自分の部屋を少しでも良い空間にして、自分を大切にして前に進んでいこうと決意するのだった。
<まとめ>
人生が上手くいかなくなると、自暴自棄になり、したいことを我慢し、自分を押し殺して「これでいいんだ、しょうがないんだ」と納得させて生きていってしまうこともあるかもしれません。
しかしそれではいずれ自分が嬉しい、楽しいと思うことを忘れ、知っていたはずの自分の素直な気持ちが分からなくなり、自分を大切にしなくなってしまう。
自分を蔑ろにした状態では人生を好転させるべく、前を向いて立ち向かうことも出来なくなってしまうでしょう。
どうしても自分の素直な心のままに従うことができない制約や事情はあると思います。
ただそうであっても、もしあなたが好きな空間に身を置くことが好きなのであれば、高級な部屋に住めなくても、少しでも自分の気に入った家具をそろえるなど、自分を満たすための小さな工夫はできるはずです。
気に入ったレストランで食事をするのが好きであれば、毎週行くのは金銭的に厳しくても、月に1度はそこで食事をする。2か月に1回でもいい。
制限はあるなかでも自分の好きなこと、自分が本当に望むものを知り、可能な限りで自分の希望を叶えてあげましょう。自分を大切にして毎日を生きることを忘れなければ、今はつらくても少しずつ人生が良い方向に向かっていくはずです。
『満月珈琲店の星詠み』は様々な悩みを抱えた人々が、ある不思議なトレーラーカフェに招かれ、店員や猫に姿を変えた星の遣い達との占星術や対話を通して自分と向き合っていくお話です。生きるヒントとなる物語の他に美しいイラストも楽しめます。気になった人はぜひ読んでみてください。